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さきみたま・くしみたま・こじき・より
藤舎貴生
とうしゃ・きしょう
VZCG-8501 〜 8502 (CD) 3,143円(本体 2,857円)
発売日: 2012年3月7日 / ジャンル: 創作邦楽
2012年度 第54回 日本レコード大賞企画賞受賞作品
《古事記1300年》記念の年に、画期的な日本音楽が誕生。
松本隆による口語訳の「古事記」を藤舎貴生が構成・全作曲した超大作アルバム。さまざまな邦楽種目の一流演奏家たちが描き出す壮大な音の叙事詩!!
「『幸魂奇魂』(さきみたま くしみたま)という短いフレーズは、日本人がこの国を守り築くために、三輪山の神から教わった聖なる言葉で、今、日本を救う最強の呪文だといえる。」(松本隆)
「古典の偉大さ、素晴らしさ、先人の卓越した作曲、型を捨て切る事は考えなかった。」(藤舎貴生)
作詞:松本隆/作曲:藤舎貴生 作調:藤舎呂悦、藤舎貴生 朗読:市川染五郎、若村麻由美 〈演奏者〉 唄:杵屋東成、今藤政貴、今藤長一郎、今藤政之祐、今藤政芳、東音味見純、杵屋巳之助、今藤郁子、杵屋秀子、今藤政子 三味線:今藤政太郎、杵屋栄八郎、今藤長龍郎、今藤政十郎、杵屋勝十朗、柏要二郎 浄瑠璃:清元美寿太夫、清元清栄太夫、清元清美太夫 三味線:清元美治郎、清元延美雪、清元美十郎 尺八:山本邦山、山本真山 地謡:片山伸吾、田茂井廣道、豊嶋晃嗣、山井綱雄 囃子:藤舎呂悦、藤舎円秀、藤舎清之、藤舎清祐、藤舎悦芳、堅田喜三郎、梅屋喜三郎 箏:中川敏裕、高畠一郎 十七絃:高畠一郎、細井美欧 太鼓:林英哲、英哲風雲の会 笙:東野珠実 胡弓:菊央雄司 笛:藤舎貴生
録音:2011年5月~2011年12月 ビクタースタジオ/Azabu O Studio/音響ハウス/sunrise studio タワーサイド/ショウビズスタジオ ジャケット表紙画:朝倉摂 監修:藤舎呂悦 プロデューサー:藤舎貴生
本作は、囃方として歌舞伎や日本舞踊以外にも幅広い活躍を続ける横笛奏者の藤舎貴生が、「邦楽の新しい可能性の探求」をさまざまな邦楽種目の真価を統合するかたちで創作した、壮大なスケールの作品です。「邦楽の新たな可能性」を、洋楽(ロック、ジャズ、ポップス)や現代音楽など他の音楽ジャンルとのクロスオーバーで探る試みはこれまでも数多く行われてきましたが、本作の特徴は、そうした洋楽との融合ではなく、すべての要素を日本古来の伝統的な音楽のかたちと質感に取材している点にあります。
そのため、本作には、長唄、清元、箏曲、雅楽、日本太鼓など、普段は一緒に演奏される機会のない多様な「邦楽」が取り入れられて、伝統を未来へとつなぐ、これからの「日本の音楽」の可能性を提示した作品となっています。演奏には各界の一流奏者が惜しみなく参加。クオリティの高い演奏を聴かせています。
本作は、作詞家・松本隆が現代の口語を使って書き下ろした「古事記」の中からいくつかの有名エピソードをモチーフとして構成された台本に基づいて創作されています。全体が市川染五郎と若村麻由美による朗読で進行し、唄も伝統的な邦楽の様式で、日本語の美しさが分かる明瞭な発声で唄われるので、解説書の詞章を目で追わずに耳で聴くだけでも、物語の流れは難なく理解することができます。こうした今の時代の日本に相応しい「口語の邦楽」こそ、本作で藤舎貴生が作り出したいと願ったものです。
『幸魂 奇魂(さきみたま くしみたま)』の音楽は、「花が咲き草萌ゆるこの国」、すなわち日本本来の美しい姿を思わせるイメージに溢れたものですが、同時に、作品全体の冒頭と最後で唄われる「ちりぢりの魂を光の糸でつなぎ結んで」という歌詞からは、この作品が「邦楽の未来」だけでなく「日本の未来」へも強い願いを込めたものであることが伝わってきます。
「読売新聞」記事(2012年2月27日)より部分転載
〈ライナーノーツ〉(30ページ) 邦楽の神に愛されている逸材/三代目市川猿之助(歌舞伎俳優) 耳にやどる幸魂・奇魂/三隅治雄(芸能学会会長) 松本隆(作詞)のエッセイ 藤舎貴生(プロデュース/作曲)のエッセイ 全詞章掲載
1
(17'45")
1.くにづくり
2
(08'28")
2.あまてらすおおみかみ・と・すさのお
3
(08'35")
3.あめのいわやと
4
(16'15")
4.やまた・の・おろち
(08'49")
5.いなば・の・しろうさぎ
(07'27")
6.ね・の・くに
(08'31")
7.ぬなかわひめ
(15'04")
8.すせりびめ
5
(15'18")
9.さきみたまくしみたま
time:0.33 s・
作品紹介
2012年度 第54回 日本レコード大賞企画賞受賞作品
《古事記1300年》記念の年に、画期的な日本音楽が誕生。
松本隆による口語訳の「古事記」を藤舎貴生が構成・全作曲した超大作アルバム。さまざまな邦楽種目の一流演奏家たちが描き出す壮大な音の叙事詩!!
「『幸魂奇魂』(さきみたま くしみたま)という短いフレーズは、日本人がこの国を守り築くために、三輪山の神から教わった聖なる言葉で、今、日本を救う最強の呪文だといえる。」(松本隆)
「古典の偉大さ、素晴らしさ、先人の卓越した作曲、型を捨て切る事は考えなかった。」(藤舎貴生)
作詞:松本隆/作曲:藤舎貴生
作調:藤舎呂悦、藤舎貴生
朗読:市川染五郎、若村麻由美
〈演奏者〉
唄:杵屋東成、今藤政貴、今藤長一郎、今藤政之祐、今藤政芳、東音味見純、杵屋巳之助、今藤郁子、杵屋秀子、今藤政子
三味線:今藤政太郎、杵屋栄八郎、今藤長龍郎、今藤政十郎、杵屋勝十朗、柏要二郎
浄瑠璃:清元美寿太夫、清元清栄太夫、清元清美太夫
三味線:清元美治郎、清元延美雪、清元美十郎
尺八:山本邦山、山本真山
地謡:片山伸吾、田茂井廣道、豊嶋晃嗣、山井綱雄
囃子:藤舎呂悦、藤舎円秀、藤舎清之、藤舎清祐、藤舎悦芳、堅田喜三郎、梅屋喜三郎
箏:中川敏裕、高畠一郎
十七絃:高畠一郎、細井美欧
太鼓:林英哲、英哲風雲の会
笙:東野珠実
胡弓:菊央雄司
笛:藤舎貴生
録音:2011年5月~2011年12月 ビクタースタジオ/Azabu O Studio/音響ハウス/sunrise studio タワーサイド/ショウビズスタジオ
ジャケット表紙画:朝倉摂
監修:藤舎呂悦
プロデューサー:藤舎貴生
本作は、囃方として歌舞伎や日本舞踊以外にも幅広い活躍を続ける横笛奏者の藤舎貴生が、「邦楽の新しい可能性の探求」をさまざまな邦楽種目の真価を統合するかたちで創作した、壮大なスケールの作品です。「邦楽の新たな可能性」を、洋楽(ロック、ジャズ、ポップス)や現代音楽など他の音楽ジャンルとのクロスオーバーで探る試みはこれまでも数多く行われてきましたが、本作の特徴は、そうした洋楽との融合ではなく、すべての要素を日本古来の伝統的な音楽のかたちと質感に取材している点にあります。
そのため、本作には、長唄、清元、箏曲、雅楽、日本太鼓など、普段は一緒に演奏される機会のない多様な「邦楽」が取り入れられて、伝統を未来へとつなぐ、これからの「日本の音楽」の可能性を提示した作品となっています。演奏には各界の一流奏者が惜しみなく参加。クオリティの高い演奏を聴かせています。
本作は、作詞家・松本隆が現代の口語を使って書き下ろした「古事記」の中からいくつかの有名エピソードをモチーフとして構成された台本に基づいて創作されています。全体が市川染五郎と若村麻由美による朗読で進行し、唄も伝統的な邦楽の様式で、日本語の美しさが分かる明瞭な発声で唄われるので、解説書の詞章を目で追わずに耳で聴くだけでも、物語の流れは難なく理解することができます。こうした今の時代の日本に相応しい「口語の邦楽」こそ、本作で藤舎貴生が作り出したいと願ったものです。
『幸魂 奇魂(さきみたま くしみたま)』の音楽は、「花が咲き草萌ゆるこの国」、すなわち日本本来の美しい姿を思わせるイメージに溢れたものですが、同時に、作品全体の冒頭と最後で唄われる「ちりぢりの魂を光の糸でつなぎ結んで」という歌詞からは、この作品が「邦楽の未来」だけでなく「日本の未来」へも強い願いを込めたものであることが伝わってきます。
詞の完成は11年3月7日。間もなく東日本大震災が発生、「鎮魂の意志を込めて」作曲に打ち込んだ。「家に引きこもって作曲に集中した。全9曲が有機的に結びつき、一つの劇のようになるよう構成に心を砕いた」
「国造り」「天(あめ)の岩屋戸(いわやと)」「八俣(やまた)の大蛇(おろち)」など、古事記に題材を採った詞は、すべて平易な口語文。「大蛇」では、「千の太鼓に響く雷鳴 大地を震わす神の足音……」などとつづり、古典が苦手でも容易に聴き取れる。「邦楽に漂う閉塞感を打破しないと、先人が築き上げた財産を食い潰してしまう。現代の邦楽を作り、未来に残したいとの思いだった」
参加したのは長唄、能楽、清元節、箏曲、尺八など幅広いジャンルの邦楽家たち。人間国宝の山本邦山から、太鼓奏者の林英哲、若手奏者まで多彩な顔ぶれだ。父の呂悦(ろえつ)も制作過程や録音に加わった。朗読は、歌舞伎俳優の市川染五郎と、女優の若村麻由美。
録音は、昨年5月から12月まで続いた。「これほど長期間の録音作業は、邦楽の世界では極めて珍しい。長唄や常磐津を始めとする純邦楽の限界を感じていたが、様々な分野の方の参加を得て、可能性が広がる手応えがあった」
歌舞伎や日舞の地方(じかた)(伴奏音楽)の印象が強い邦楽だが、その音楽の持つ本来の魅力を追求した。「私たちの音が変われば、舞踊や歌舞伎にも変化をもたらすかもしれない。新しい振りが生まれることもあり得る」
「読売新聞」記事(2012年2月27日)より部分転載
〈ライナーノーツ〉(30ページ)
邦楽の神に愛されている逸材/三代目市川猿之助(歌舞伎俳優)
耳にやどる幸魂・奇魂/三隅治雄(芸能学会会長)
松本隆(作詞)のエッセイ
藤舎貴生(プロデュース/作曲)のエッセイ
全詞章掲載
藤舎貴生(とうしゃ きしょう)
横笛奏者。邦楽囃子二世家元、中村寿鶴を祖父とし、藤舎呂悦の長男として京都に生まれる。囃子を藤舎流宗家藤舎せい子、笛を藤舎名生、長唄を今藤政太郎、マリンバを山本毅に師事。東京藝術大学音楽学部邦楽科卒業後、専門楽器を横笛とし、歌舞伎、日本舞踊はもとより、クラシックコンサートにソリストとして招かれるなど幅広く活躍。黒田征太郎、武田双雲、世界チャンピオンDJ、KENTAROなど異種アーティストとの共演も多い。近年作曲も多く手がけ、代表作に「静」、「梅雨将軍信長」、「一心行桜」など。NHK大河ドラマの横笛指導、プロデュース・企画公演も行う。池坊文化学院特任教授歴任。藤舎貴生オフィシャル・サイト
http://tosya-kisho.com/
松本隆(まつもと たかし)
作詞家。1949年東京青山生まれ。中学、高校、大学と慶應義塾ですごす。20歳の時、伝説のロックバンド「はっぴいえんど」を結成し、ドラムスと作詞を担当。同バンド解散後、作詞家となり、太田裕美や松田聖子をはじめ多数のヒット曲を手がける。81年「ルビーの指環」で日本レコード大賞作詞賞受賞。細野晴臣、大瀧詠一、松任谷由実ら日本のロック/ニューミュージック界の盟友に作曲を依頼するなど、プロデューサー的な作詞家として、歌謡界に新風を起こす。92年からシューベルトの歌曲を日本語訳するなどクラシック方面での活動も始める。2007年にはオペラ「隅田川」の歌詞を手掛けるなど、日本の古典作品を題材にした作品にも活躍の場を広げている。