『甦る栄光の蓄音器』 ── 銘器と名盤が奏でる日本の流行歌ベストセレクション[金沢蓄音器館開館10周年記念盤]
『よみがえる・えいこう・の・ちくおんき』 ── めいき・と・めいばん・が・かなでる・にほん・の・りゅうこうか・べすとせれくしょん[かなざわちくおんきかんかいかん10しゅうねんきねんばん]
収録曲
1 |
君恋し ビクター ビクトローラ クレデンザ(8-30型)(03'12") きみこいし |
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作詞:時雨音羽 / 作曲:佐々紅華 / 編曲:井田一郎 歌:二村定一 日本ビクタージャズバンド | |||
2 |
東京行進曲 ビクター ビクトローラ クレデンザ(8-30型)(02'43") とうきょうこうしんきょく |
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作詞:西條八十 / 作曲:中山晋平 歌:佐藤千夜子 日活管絃楽団 | |||
3 |
島の娘 E.M.G エキスパート・シニア(03'09") しま・の・むすめ |
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作詞:長田幹彦 / 作曲:佐々木俊一 歌:小唄勝太郎 日本ビクター・サロン・オーケストラ | |||
4 |
天龍下れば ビクター ビクトローラ 1-81卓上型蓄音器(03'24") てんりゅうくだれば |
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作詞:長田幹彦 / 作曲:中山晋平 歌:市丸 三味線:千代 日本ビクター管絃楽団 | |||
5 |
国境の町 E.M.G エキスパート・シニア(02'57") こっきょう・の・まち |
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作詞:大木惇夫 / 作曲:阿部武雄 歌:東海林太郎 日本ポリドール管絃楽団 | |||
6 |
あゝそれなのに ブランズウイック バレンシア(02'58") ああそれなのに |
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作詞:星野貞志 / 作曲:古賀政男 / 編曲:古賀政男 歌:美ち奴 古賀政男オーケストラ | |||
7 |
妻恋道中 HMV 194(03'42") つまこいどうちゅう |
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作詞:藤田まさと / 作曲:阿部武雄 / 編曲:阿部武雄 歌:上原敏 日本ポリドール管絃楽団 | |||
8 |
別れのブルース HMV 194(03'43") わかれ・の・ぶるーす |
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作詞:藤浦洸 / 作曲:服部良一 / 編曲:服部良一 歌:淡谷のり子 コロムビア・オーケストラ | |||
9 |
旅の夜風 HMV 194(03'39") たび・の・よかぜ |
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作詞:西條八十 / 作曲:万城目正 / 編曲:万城目正 歌:霧島昇、ミス・コロムビア コロムビア・オーケストラ | |||
10 |
支那の夜 ビクター ビクトローラ クレデンザ(8-30型)(03'36") しな・の・よる |
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作詞:西條八十 / 作曲:竹岡信幸 / 編曲:奥山貞吉 歌:渡辺はま子 コロムビア・オーケストラ | |||
11 |
或る雨の午后 ビクター ビクトローラ クレデンザ(8-30型)(03'15") あるあめ・の・ごご |
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作詞:島田磬也(和氣徹) / 作曲:大久保徳二郎 / 編曲:杉原泰藏 歌:ディック・ミネ ディック・ミネ・エンド・ヒズ・オーケストラ | |||
12 |
古き花園 HMV 194(03'45") ふるきはなぞの |
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作詞:サトウハチロー / 作曲:早乙女光 / 編曲:仁木他喜雄 歌:二葉あき子 コロムビア・オーケストラ | |||
13 |
上海の花売り娘 E.M.G エキスパート・シニア(03'10") しゃんはい・の・はなうりむすめ |
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作詞:川俣栄一 / 作曲:上原げんと / 編曲:上原げんと 歌:岡晴夫 キング管絃楽団 | |||
14 |
湖畔の宿 HMV 194(03'22") こはん・の・やど |
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作詞:佐藤惣之助 / 作曲:服部良一 / 編曲:服部良一 歌:高峰三枝子 コロムビア・オーケストラ | |||
15 |
新雪 ブランズウイック バレンシア(03'11") しんせつ |
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作詞:佐伯孝夫 / 作曲:佐々木俊一 歌:灰田勝彦 日本ビクター管絃楽団 | |||
16 |
港が見える丘 E.M.G エキスパート・シニア(03'10") みなとがみえるおか |
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作詞:東辰三 / 作曲:東辰三 / 編曲:小沢直与志 歌:平野愛子 日本ビクター管絃楽団 | |||
17 |
東京ブギウギ ビクター ビクトローラ クレデンザ(8-30型)(03'10") とうきょうぶぎうぎ |
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作詞:鈴木勝 / 作曲:服部良一 歌:笠置シヅ子 コロムビア オーケストラ | |||
18 |
南の薔薇 ビクター ビクトローラ クレデンザ(8-30型)(03'29") みなみ・の・ばら |
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作詞:野村俊夫 / 作曲:米山正夫 歌:近江俊郎 コロムビア女声合唱団 コロムビア オーケストラ | |||
19 |
青い山脈 ビクター ビクトローラ クレデンザ(8-30型)(03'26") あおいさんみゃく |
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作詞:西條八十 / 作曲:服部良一 歌:藤山一郎、奈良光枝 コロムビア オーケストラ | |||
20 |
夜来香 HMV 194(03'05") いぇらいしゃん |
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作詞:黎錦光(金玉谷) 訳詞:佐伯孝夫 / 作曲:黎錦光(金玉谷) / 編曲:服部良一 歌:山口淑子 日本ビクター管弦楽団 | |||
21 |
高原の駅よ、さようなら E.M.G エキスパート・シニア(03'18") こうげん・の・えきよ、さようなら |
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作詞:佐伯孝夫 / 作曲:佐々木俊一 / 編曲:松井八郎 歌:小畑実 日本ビクター管弦楽団 | |||
22 |
上海帰りのリル ビクター ビクトローラ クレデンザ(8-30型)(03'39") しゃんはいがえりのりる |
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作詞:東條寿三郎 / 作曲:渡久地政信 / 編曲:林伊佐緒 歌:津村謙 キング オーケストラ | |||
23 |
花のいのちは ビクター ビクトローラ クレデンザ(8-30型)(03'14") はな・の・いのち・は |
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作詞:菊田一夫 / 作曲:古関裕而 歌:岡本敦郎、岸恵子 コロムビア オーケストラ | |||
【エピローグ】
【えぴろーぐ】 | |||
ハワイ王国第8代女王リリウオカラニ作 演奏:W.Smith&W.Kolomoku | |||
24 |
アロハ・オエ ワルツ・メドレー(Aloha Oe Waltz Medley) エジソン アンべロール30型 縦振動蓄音器(03'38") あろは・おえ わるつ・めどれー |
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time:0.33 s・
作品紹介
クレデンザ、EMG、HMV…、収蔵する580台の蓄音器の中から厳選された銘器が奏でる昭和の名曲アルバム。
「君恋し」(二村定一)、「東京行進曲」(佐藤千夜子)、「国境の町」(東海林太郎)、「別れのブルース」(淡谷のり子)、「或る雨の午后」(ディック・ミネ)、「上海の花売り娘」(岡晴夫)、「東京ブギウギ」(笠置シヅ子)、「青い山脈」(藤山一郎)、「夜来香〈イェライシャン〉(山口淑子)」他全24曲。収録時間80分5秒。
貴重な蓄音器と3万枚を超えるSP盤を所蔵する国内有数の文化施設、金沢蓄音器館の開館10周年を記念してのリリースです。
このCDを聴き始めると、静寂の中から最初に蓄音器が動き始める音が聴こえてきます。そしてしばらくすると盤面に針が落ちて、微かな針音(スクラッチ・ノイズ)とともに、やがて音楽が始まります。こうした時間をかけた手続きを経て一枚のレコード盤と向き合うとき、音楽は私たちの心に深々と染み渡っていきます。今回のアルバムでは、金沢蓄音器館という「蓄音器による音楽文化」を保存する施設の記念盤であることから、通常のように「音楽部分」だけの記録ではなく、「蓄音器で音楽を再生して聴く」体験そのものを記録するというユニークな方針でCDの制作を行なっています。
【おことわり】 本CDはSP盤を蓄音器で再生した音をマイクロフォンでステレオ・デジタル録音し、ノイズ処理等を行なわずに制作しました。針音・蓄音器の発するノイズ等、一部お聴き苦しい箇所がありますことをご了承ください。
公益財団法人日本伝統文化振興財団 理事長 藤本 草
本年、金沢蓄音器館が開館10周年を迎えるに当たり、その運営母体である公益財団法人金沢文化振興財団が発行者となって、本CDアルバム「『甦る栄光の蓄音器』~銘器と名盤が奏でる日本の流行歌ベストセレクション」が刊行されることとなりました。
本アルバムは、昭和初期から昭和28年にかけて発売されたSPレコード流行歌を、金沢蓄音器館が所蔵する蓄音器の銘器によって再生した音を、ステレオ・マイクロフォンで録音したものです。また〈エピローグ〉として、最終曲にエジソンの蝋管蓄音器の再生音も併せ収録しました。
蓄音器館所蔵のSPレコード(約3万枚)の中から選ばれた曲目は、戦前戦後の日本の音楽歌謡史に金字塔を打ち立てた誰もが知っている代表的な名曲で、現在所蔵する蓄音器(約580台)のうちでその曲を聞くに最も相応しいものを選び、デジタル録音しました。
金沢蓄音器館は平成13年7月に金沢市尾張町に開館されました。この地は、初代館長の故八日市屋浩志氏が大正期から経営されたレコード店所在地で、いわば金沢の音楽文化の一翼を担った発祥の地でもありました。音楽を通じて地域文化に貢献したいと願い、戦前から蓄音器店を開いてきた初代館長は、次第に手回し式の蓄音器が姿を消していった昭和40年代のある日、無造作に捨てられている蓄音器を見て心を痛めました。その日から「直せばまだ鳴る…」と収集を始め、やがて蓄音器540台、SPレコード2万枚に及ぶ「山蓄コレクション」となりました。その後コレクションを譲り受けた金沢市が蓄音器館を開館しました。
人は若かりし日々に聞いた音色によって魂を呼び起されます。懐古趣味に浸るのではなく、明日への生きる力を生み活力をみなぎらせてくれるのです。若い方々にもこの懐かしい心を呼び起される音色をお聴き頂き、心温まる体験をして頂ければ何より大きな喜びです。また蓄音器は電気を使わず、針を振動させるだけでこんなにも豊かな音が出るのです。極めつけのエコから生まれる蓄音器の音の世界をお聞き頂きたいと存じます。
なお、本アルバムの企画立案と推進に大きなご助力を頂いた金沢蓄音器館館長八日市屋典之氏と、監修・選曲・解説に当たられた郡修彦氏に心からの謝意を表します。
〈制作クレジット〉
発行:公益財団法人金沢文化振興財団
制作:公益財団法人日本伝統文化振興財団
制作プロデュース:八日市屋典之(金沢蓄音器館)
制作ディレクター:藤本草(日本伝統文化振興財団)
録音エンジニア:森紀浩(モリラ スタジオ)
マスタリング・エンジニア:今泉徳人(日本アコースティックレコーズ)
監修・選曲・解説:郡修彦
●全曲歌詞掲載
「金沢蓄音器館」
2001年に金沢市の文化施設として開館。明治・大正・昭和に製造された蓄音器を580台収蔵。エジソンの蝋管蓄音器を含む約140台が常設展示されています。また、約3万枚のSP盤を所蔵し、蓄音器の音を体験出来る実演イベントが毎日3回(11時・14時・16時)開催されています。
〈所在地〉
〒920-0902 石川県金沢市尾張町2-11-21
TEL 076-232-3066 FAX 076-232-3079
金沢蓄音器館ホームページ
http://www.kanazawa-museum.jp/chikuonki/