箏曲『六段』とグレゴリオ聖歌『クレド』 監修・解説・指揮:皆川達夫(音楽学者、中世・ルネサンス音楽史)
そうきょく『ろくだん』と・ぐれごりおせいか『くれど』
野坂操壽(箏)、中世音楽合唱団、神戸愉樹美ヴィオラ・ダ・ガンバ合奏団 ほか
のさか・そうじゅ、ちゅうせいおんがくがっしょうだん、かんべ・ゆきみ・ヴぃおら・だ・がんば・がっそうだん
収録曲
1 |
少年使節歓迎ミサ曲『グローリア』(06'41") しょうねんしせつかんげいみさきょく『ぐろーりあ』 Gloria |
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作曲:アンドレア・ガブリエリ Andrea Gabrieli 指揮:皆川達夫 独唱(テノール):田中豊輝、原田博之 オルガン:飯塚由美 リュート:高橋雅和 ビオラ・ダ・ガンバ:中野哲也 金管アンサンブル:矢崎雅巳(仙台フィルハーモニー管弦楽団)他 合唱:グリーン・ウッド・ハーモニー 他 [録音] 2010年4月24日 仙台市東北大学百周年記念会館川内萩ホール『支倉常長が聴いた西洋の調べ』コンサート | |||
2 |
秀吉御前における少年使節の演奏曲『千々の悲しみ』(01'52") ひでよし・おんまえ・に・おける・しょうねんしせつ・の・えんそうきょく『ちぢ・の・かなしみ』 Mille regretz |
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作曲:ジョスカン・デプレ Josquin Desprez 指揮:皆川達夫 合唱:中世音楽合唱団 リュート:櫻田亨 神戸愉樹美ヴィオラ・ダ・ガンバ合奏団 [録音] 2011年1月22日 ビクター青山スタジオ301 | |||
3 |
マリア典礼書中の『連祷』(聖マリアの連祷)(04'36") まりあてんれいしょちゅう・の『れんとう』(せいまりあ・の・れんとう) Litaniae B.Mariae Virginis |
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指揮:皆川達夫 合唱:中世音楽合唱団 [録音] 2011年1月22日 ビクター青山スタジオ301 | |||
4 |
グレゴリオ聖歌『クレド』第三番(05'19") ぐれごりおせいか『くれど』だいさんばん |
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指揮:皆川達夫 合唱:中世音楽合唱団 神戸愉樹美ヴィオラ・ダ・ガンバ合奏団 [録音] 2010年9月7日 キング関口台スタジオ | |||
5 |
グレゴリオ聖歌『クレド』第四番(05'25") ぐれごりおせいか『くれど』だいよんばん |
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指揮:皆川達夫 合唱:中世音楽合唱団 神戸愉樹美ヴィオラ・ダ・ガンバ合奏団 [録音] 2010年9月7日 キング関口台スタジオ | |||
6 |
グレゴリオ聖歌『クレド』第一番(05'12") ぐれごりおせいか『くれど』だいいちばん |
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指揮:皆川達夫 合唱:中世音楽合唱団 神戸愉樹美ヴィオラ・ダ・ガンバ合奏団 [録音] 2010年9月7日 キング関口台スタジオ | |||
7 |
グレゴリオ聖歌『クレド』第一番(拍節リズム演奏)(04'57") ぐれごりおせいか『くれど』だいいちばん(ひょうせつりずむえんそう) |
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指揮:皆川達夫 合唱:中世音楽合唱団 神戸愉樹美ヴィオラ・ダ・ガンバ合奏団 [録音] 2010年9月7日 キング関口台スタジオ | |||
8 |
グレゴリオ聖歌『クレド』第三番と『六段』(初段・二段との合奏)(05'12") ぐれごりおせいか『くれど』だいさんばん・と『ろくだん』(しょだん・にだん・との・がっそう) |
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指揮:皆川達夫 合唱:中世音楽合唱団 箏:野坂操壽 [録音] 2010年9月14日 ビクター青山スタジオ301 | |||
9 |
グレゴリオ聖歌『クレド』第四番と『六段』(初段・二段との合奏)(05'15") ぐれごりおせいか『くれど』だいよんばん・と『ろくだん』(しょだん・にだん・との・がっそう) |
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指揮:皆川達夫 合唱:中世音楽合唱団 箏:野坂操壽 [録音] 2010年9月14日 ビクター青山スタジオ301 | |||
10 |
グレゴリオ聖歌『クレド』第一番と『六段』全曲合奏(12'20") ぐれごりおせいか『くれど』だいいちばん・と『ろくだん』ぜんきょくがっそう |
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作者不明 指揮:皆川達夫 合唱:中世音楽合唱団 箏:野坂操壽 [録音] 2010年9月14日 ビクター青山スタジオ301 | |||
11 |
箏曲『六段』(07'21") そうきょく『ろくだん』 |
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箏:野坂操壽 [録音] 2010年9月14日 ビクター青山スタジオ301 |
time:0.35 s・
作品紹介
日本伝統音楽とキリシタン音楽との出会い。「六段」誕生の背景に見え隠れするグレゴリオ聖歌の存在。双方の区切りの一致、要所の終始や音の合致、等々、日本を代表する箏曲への新たな視点を音で検証する話題のアルバム!
日本に西洋音楽が受容されたのは明治以後ではなかった。すでに江戸時代にキリスト教伝来とともに、祈りの歌とそれを奏でる楽器も日本にもたらされ、たとえば日本各地に建立された教会では、毎日、歌と楽器の修練が課されていたことが記録に残っており、したがって西洋音楽の受容は相当に進んでいたことが分かる。そこで日本の音楽家たちがキリスト教聖歌に接して(当時盲人にはキリスト教信者が多かった)箏や三味線を同時に奏でた際に、「六段」というそれまで日本になかった音楽構造の作品が生み出されたと考えられないだろうか。そしてまた、後のキリスト教禁止令を受け、元の歌の意味を隠す必要があったために、箏曲としては珍しい歌のない「器楽曲」として継承されていったというふうにも考えられる。
このように考えることで、なぜ17世紀後半に、日本において箏曲の様式化と発展が突然に生じたのか、またその象徴である「六段」という作品が生まれたのかが理解できるかもしれない。このCDは、こうした大胆な日本音楽史への仮説を、実際の演奏によって検証した大変ユニークな内容といえるものである。注目すべきは、「クレド」の合唱と「六段」の同時演奏。要所の終始や音の合致、さらに当時の箏の調弦が平調子ではなく「クレド」の演奏に適した現在の乃木調子に準(なぞら)えられる音階だったとの推測に基づき、偶然にしてはあまりにも符号する両者の構造の一致を耳にすることができる。
〈解説書内容〉
箏曲『六段』とグレゴリオ聖歌との出会い ―洋楽渡来考再論―/皆川達夫(音楽学者、中世・ルネサンス音楽史)
付説「『六段の調』について」/久保田敏子(京都市立芸術大学日本伝統音楽研究センター所長、日本音楽史)
プロデューサーズ・ノート/藤本草(日本伝統文化振興財団 理事長)
★全英文解説つき(All English Notes Enclosed)
好評発売中
『CD&DVD版 洋楽渡来考(監修・解説:皆川達夫)』(CD3枚&DVD1枚:VZZG-1)
(内容)日本における西洋音楽の受容を検証した皆川達夫の名著『洋楽渡来考』(日本キリスト教団出版局)を実際の音と映像で表現した待望の資料集。