ジョン・ケージ:3つのダンス[プリペアド箏ヴァージョン]
じょん・けーじ:みっつ・の・だんす[ぷりぺあど・こと・ゔぁーじょん]
JOHN CAGE:Three Dances(four prepared 17-stringed kotos version)
Christian Wolff/Takashi Kako/Tadao Sawai
VZCG-736 (CD) 3,143円(本体 2,857円)
収録情報
[1] — [4]1991年1月23‐25日 スタジオ・エス
[5]1985年1月25日 ゆうぽうと五反田簡易保険ホール(世界初演時ライヴ録音)コンサート『宴・四つの協奏曲』[主催:アート・フロント・プロデュース]
[6]1987年8月 イギリス、バース「クレサント・スタジオ」
収録曲
3つのダンス[プリペアド箏ヴァージョン]
みっつ・の・だんす[ぷりぺあどことゔぁーじょん] Three Dances(1945/rev.1989)[four prepared 17-stringed kotos version] | |||
作曲:ジョン・ケージ John Cage(revised by Kazue Sawai) / 編曲:沢井一恵 プリペアド十七絃箏 四面 Ⅰ. 沢井一恵 Ⅱ. 西陽子 Ⅲ. 栗林秀明 Ⅳ. 竹澤悦子 | |||
1 |
1(06'08") 1 |
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2 |
2(10'37") 2 |
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3 |
3(14'10") 3 |
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4 |
マルヴィナ(16'21") まるゔぃな Malvina for koto(13 strings)(1989) |
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作曲:クリスチャン・ウルフ Christian Wolff
箏:沢井一恵
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5 |
箏とオーケストラのための協奏曲(20'54") こと・と・おーけすとら・の・ための・きょうそうきょく Concerto for koto and orchestra (1985) |
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作曲:加古隆 Takashi Kako
箏、十七絃箏:沢井一恵 指揮:井上道義 管弦楽:新日本フィルハーモニー交響楽団
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6 |
讃歌(11'00") さんか Sanka[Song of Praise](1978) |
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作曲:沢井忠夫 Tadao Sawai
箏:沢井一恵
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time:0.33 s・
作品紹介
プリペアド・ピアノ二台のためのケージの傑作を、四面の「プリペアド箏」に編曲して演奏。
みずみずしい輝きに溢れた新しい音、箏の可能性に敢然と挑む沢井一恵の真骨頂!
世界中の最前線の音楽シーンで箏の真価を問い続けている現代日本を代表する箏奏者・沢井一恵。日本伝統文化を体現する古典作品の演奏を土台に、箏と西洋音楽、現代音楽、先鋭的なJAZZ、即興との接点を探求し、各界の一流音楽家達から尊敬を集める。その代表作3枚を復刻発売。
本作は、1992年にコレクタから発売された自主制作盤CD『沢井一恵 ―箏― Three Pieces』(COL-003)のリマスタリング版で、今回の復刻に際して、『目と目』のイギリス録音時に収録されたまま未発表だった、沢井忠夫『讃歌』を追加収録しています。(沢井一恵演奏の『讃歌』はこれが初出です)
ジョン・ケージの『3つのダンス』(1945)は二台のプリペアド・ピアノのための作品で、初期のケージの傑作のひとつです。プリペアド・ピアノとは弦の間にボルトや木などさまざまな物体を挟んで、ピアノを打楽器のような音色に変えたものですが、沢井一恵は「ケージが豊かで美しいピアノという楽器の響きを否定して、その上でさらに別の豊饒な響きをつくり出したことに刺激を受けた」と語っています。ここでは、一台のピアノを、主に、右・左手のパートに分けて2面の十七絃にあて、音域をずらして設定し、4面の十七絃によるヴァージョンとしています。
クリスチャン・ウルフはケージと同様にアメリカの実験音楽を代表する作曲家ですが、ケージの他にフレデリック・ジェフスキーの音楽、アメリカのフォーク・ソング、日本の伝統音楽から強く影響を受けたと語っています。『マルヴィナ』は黒人奴隷解放運動など社会の抵抗運動に尽くした女性に関連する歌が素材として取り入れられています。
加古隆の箏協奏曲は、世界各地で再演の機会が多い名作として知られています。このアルバムに収録されているのは、その世界初演時のライヴ録音です。混沌とした響きの渦と執拗なオスティナートが拮抗して、激しく燃焼するダイナミックな音楽です。
沢井一恵(ライナーノーツより)
<ライナーノーツ>
献辞:ジョン・ケージ
曲目解説:沢井一恵、クリスチャン・ウルフ、加古隆、沢井忠夫
英文解説つき(English Liner Notes Enclosed)
沢井一恵 プロフィール
8歳より箏曲を宮城道雄に師事。東京芸術大学音楽学部卒業。
1979年沢井忠夫と共に沢井箏曲院を設立。古典と現代邦楽の第一線で活躍する一方、全国縦断「箏遊行」や、作曲家の一柳慧、パーカッションの吉原すみれと結成した「トライアングル・ミュージック・ツアー」など様々なコンサートを行う。
ジョン・ゾーンのプロデュースによる公演、高橋悠治プロデュースのリサイタル、高橋悠治作品CD『風がおもてで呼んでいる』制作(コジマ録音)など多彩な活動を展開。1989年以降、ニューヨーク BANG ON A CANフェスティヴァルを始め、ドイツのメルス・ジャズ・フェスティヴァルなどアメリカ、ヨーロッパ、各地のフェスティヴァルより招聘を受け世界中の様々な音楽シーンに登場。
また国内外の多様なジャンルの若手アーティスト達と「沢井一恵箏360°の眼差し」やミュージック・アクション(フランス)などで実験的コンサートを積極的に行い、邦楽とは無縁だった多くの人々に箏の魅力を伝えている。
異色の組み合わせでは、インドネシアの舞踊家サルドノ・クスモとのコラボレーション、また韓国のシャーマン金石出(キム・ソクチュル)達との即興演奏。ロシア人作曲家ソフィア・グバイドゥーリナとの即興CD制作を行っている。
オーケストラとの共演では加古隆作曲の箏協奏曲で、井上道義指揮の新日本フィル、エストニア国立交響楽団などと共演。1999年にはNHK交響楽団のグバイドゥーリナへの委嘱新作『樹影にて』(アジアの箏とオーケストラのための)で、N響定期公演とアメリカ・ツアーに参加(シャルル・デュトワ指揮)、その後も同作品をロシア・ナショナル管弦楽団と共演(ピョートル・メシチャニーノフ指揮)。
2010年4月、佐渡裕指揮・兵庫芸術文化センター管弦楽団との共演で、坂本龍一作曲の箏協奏曲を世界初演。
CDは古典曲を集めた『みだれ』(京都レコード)のほか、現代曲、即興など、多様な内容のものが世界各地のレーベルから発売されている。
沢井一恵 Official Website
http://www.soukyokuin.com/KAZUE.HTM