阿吽の音/鳥養潮+聲明四人の会(SHM-CD盤)
あうん・の・こえ/とりかい・うしお、しょうみょう・よにん・の・かい・SHM-CD
A UN (A UN no Koe) / Ushio Torikai + Shomyo Yonin-no-Kai (SHM-CD)
すべてのCDプレーヤーで再生可能な高音質CD SHM-CD(Super High Material CD)とは、通常のCDとは別種の、液晶パネル用ポリカーボネート樹脂を採用。素材の透明性が格段に向上したことにより、マスタークオリティに限りなく近づいた高音質CDです。
※SHMは、ユニバーサルミュージック株式会社と日本ビクター株式会社(現 株式会社JVCケンウッド・クリエイティブメディア)の登録商標です。
クレジット
収録曲
1 |
入堂(04'11") にゅうどう Entrance |
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作曲:鳥養潮 | |||
2 |
阿吽Ⅰ(07'34") あうん・1 A UN Ⅰ |
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作曲:鳥養潮 | |||
3 |
阿吽Ⅱ(08'28") あうん・2 A UN Ⅱ |
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作曲:鳥養潮 | |||
4 |
阿吽Ⅲ(03'37") あうん・3 A UN Ⅲ |
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作曲:鳥養潮 | |||
5 |
阿吽Ⅳ(09'06") あうん・4 A UN Ⅳ |
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作曲:鳥養潮 | |||
6 |
唄・散華(09'53") ばい・さんげ BAI・SANGE |
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作曲:鳥養潮 | |||
7 |
行道〜光明真言(17'09") ぎょうどう〜こうみょうしんごん GYŌDŌ〜KŌMYŌSHINGON |
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作曲:鳥養潮 | |||
8 |
結章(11'00") けっしょう Epilogue |
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作曲:鳥養潮 |
time:0.29 s・
SHM-CDの特長/楽しみ方
● 素材の透明性そのままの、分離の良いクリアなサウンドをお楽しみいただけます。ガラスの曇りを拭き取ったかのような見通しの向上によって、今まで聴き逃していた音の存在に気づくこともあるかもしれません。
● オーディオで最も難しいといわれる低域の量感が引き出された、スケールの大きなサウンドをお楽しみいただけます。全体の音圧が増したように感じられることもありますが、マスター上でのレベル調整等は一切行っておりません。
● マスターに忠実な奥行きある音場の中に、フォーカスの引き締まった音が正確に定位する、粒立ちの良い立体感溢れるサウンドをお楽しみいただけます。スピーカーを通して聴けば、ライヴ会場やスタジオの雰囲気をそのまま持ち込んだような空気感、実在感を、より感じ取っていただけるはずです。
● まろやかでアナログライクなサウンドをお楽しみいただけます。大音量のリスニングにも聴き疲れすることがありませんので、近隣を困らせない範囲にヴォリュームを上げてお楽しみください。
※ 通常CDとの比較における音質変化の度合いは、再生環境によって異なります。
※ SHMは、ユニバーサルミュージック株式会社と日本ビクター株式会社(現 株式会社JVCケンウッド・クリエイティブメディア)の登録商標です。
作品紹介
邦楽の名盤を話題の高品質SHM-CDで発売。
(2009年9月16日、10枚を同時リリース)「癒しにさえ喝を入れるアバンギャルドな聲明」――いとうせいこう
ニューヨーク在住の現代音楽の女性作曲家・鳥養潮(とりかい・うしお)が、宗派を超えて結成された「聲明四人の会」との出会いを経て創出した、前人未到の音楽。安らぎや癒しとは無縁の、衝撃的のサウンド・スペースが広がり、「声明」のもつ潜在的な魔力が解放されている。
『阿吽の音(あうんのこえ)』は、空海にまで遡る密教の精神、身体と時間を貫く「聲」の響きを、「一音一切」という理念のもので鮮やかに浮き彫りにした作品で、1995年に国立劇場で初演。本アルバムの録音に際して新たな改訂が施され、今回のヴァージョンをもって決定版とされた。
また、本作ではレコーディングにもさまざまな実験的手法が取られている。特異な倍音の共鳴を表現するため、スタジオ内で録音を敢行。(1)デッドな音響空間を生かし、オンマイクのマルチマイキングによるクリアーなサウンド創り。(2)セパレートされた独立音響空間を使用した、分離の良い音場表現。(3)音源移動のリアリティを表現するために、ダミーヘッドと無指向性マイクの組み合わせによる録音。(4)レコーディング・システム:192KHz/24Bit 2チャンネル デジタル・ダイレクト録音によるリアルサウンド作り。……無限に広がる音場から息遣いまで伝わる繊細かつ大胆な音場の世界と、人間が移動して出来る音の軌跡が、不思議なサウンドとして響いてくる。
<ライナーノーツ>
阿吽の音(あうんのこえ)/鳥養 潮
密教における身体と声/新井弘順
阿吽の音/田村博巳
私の鳥養潮体験/篠田正浩
聲明(阿吽の音)におけるレコーディング・アプローチ/高田英男
English Liner Notes Enclosed
鳥養 潮(とりかい うしお) プロフィール
幼少より日本伝統音楽、ヨーロッパ古典音楽に親しみ、高校時代にこの二つの音楽分野について抱いた"音楽の在り方の極度な差異"への問いが、現在に至る音楽活動の原点となる。
1970年代後半から実験的音楽活動を開始。82年、パリ・ビエンナーレに招待されて以来、ヨーロッパ各地でコンサートを開催。86年、声、コンピュータ・エレクトロニクス、古代ハープ"箜篌(くご)"、三味線、ファウンドオブジェクト、各々のための作曲、演奏、操作総てを手掛けたソロアルバム「Go WHERE?」を日本ビクターより発表。
同年 Asian Cultural Council の招聘により渡米。以後北米を中心に意欲的な活動を展開。90年以降、ニューヨーク州芸術評議会、カナダ文化省、Meet the Composer、ASCAPを始めとする多くの音楽財団、団体よりスカラシップを受ける。95年、神宮の森にて警蹕(けいひつ)、聲明、アジア古代楽器、パーカッションを含む100人のパフォーマーのための「繧繝」を発表。
最近の主な委嘱として、クロノス・クワルテット、ワークインプログレス-べルリン、演劇集団マブ・マインズ、ロスアンジェルス市時計台のための音楽など、各方面より多彩な委嘱を受けている。
ニューヨーク在住。
聲明四人の会 プロフィール
真言宗の孤嶋由昌(小金井市金蔵院住職)、新井弘順(所沢市宝玉院住職)、天台宗の海老原廣伸(市川市泉養寺住職)、京戸慈孝(葛飾区西光寺住職)、の四名の僧侶を中心に、宗派の枠組みを越え、「聲明」の伝統の継承と発展を目指して1997年に結成された。
聲明が初めて日本の音楽の源流として劇場で一般公開されたのは、1966年の国立劇場開館における聲明公演。それは、それまで寺院の儀式法要の中に閉ざされていた聲明の音楽的価値の高さを、初めて一般に知らしめた画期的出来事であった。後に1983年、フランスの現代音楽の作曲家ジャン=クロード・エロワ(Jean-Claude Eloy)による「観想の焔の方へ」が、初の創作聲明として国立劇場に誕生する。天台聲明、真言聲明のそれぞれの担い手であった四人の僧侶が、この作品において結集することとなった。以来今日に至るまで、四氏は古典聲明の普及のみならず、さまざまな現代音楽の作曲家との共同作業から、実験的新作聲明を世に送り出す中核を成してきた。海外での公演も多く、彼らの実績は日本のみならず海外でも高い評価を受けている。古典の研鑽・研究と後輩の指導に当たるとともに、年に2回、東京青山にあるスパイラルでの聲明公演「千年の聲」を主催している。
シャブダ プロフィール
シャブダとは梵語で"声"の意。「聲明四人の会」の公演で、聲明を唱和する真言宗・天台宗の僧侶たちの総称。本作の録音には、真言宗十二名、天台宗十五名の僧侶が参加している。