邦楽演奏家 BEST TAKE
邦楽演奏家 Best Take 現代の三絃 西潟昭子Ⅲ
ほうがくえんそうか・べすとていく げんだい・の・さんげん・にしがた・あきこ・3
AKIKO NISHIGATA ── New Spirits of Sangen ──
にしがた・あきこ
VZCG-67 (CD) 3,300円(本体 3,000円)
発売日: 1997年5月21日 / ジャンル: 現代音楽
収録曲
1 |
「奔手」(09'35") ほんじゅ Honju |
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作曲:三木稔 三絃:西潟昭子 | |||
2 |
「捩烈譜」三絃、コントラバス、打楽器のために(12'13") 「れつれつふ」さんげん、こんとらばす、だがっき・の・ために Retsu-Retsu-Fu for sangen, doublebass and percussions |
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作曲:池辺晋一郎 三絃:西潟昭子 コントラバス:溝入敬三 打楽器:山口恭範、菅原淳 | |||
3 |
「狩の使」伊勢物語より(21'43") かり・の・つかい(いせものがたり・より) Kari no Tsukai |
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作曲:柴田南雄 三絃・声:西潟昭子 | |||
4 |
打楽器と邦楽器のための「万華譜」(07'32") だがっき・と・ほうがっき・の・ための「まんげふ」 Kaleido-score |
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作曲:坪能克裕 三絃:西潟昭子 打楽器:菅原淳 | |||
三絃、尺八、箏のための「花の変容」
さんげん、しゃくはち、こと・の・ため・の・はな・の・へんよう Transfiguration of flowers | |||
作曲:一柳慧 三絃:西潟昭子 尺八:三橋貴風 箏:福永千恵子 | |||
5 |
Ⅰ(07'45") 1 |
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6 |
Ⅱ(08'05") 2 |
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time:0.39 s・
作品紹介
三絃による現代邦楽の第一人者、西潟昭子の至芸を集めたシリーズ第三弾。1990年代にはいってからの第10回と第12回のリサイタルで初演された四作品(池辺晋一郎、柴田南雄、坪能克裕、一柳慧)に、西潟昭子デビュー期の先駆的古典作品だった三木稔の『奔手』を加えた構成。坪能克裕『万華譜(Kaleido-score)』では三絃と打楽器のアブストラクトな音響が点在し、不思議な静けさと寂の空間を生む。一柳慧『花の変容(Transfiguration of flowers)』は二楽章からなり、1988年「現代三曲アンサンブル」(西潟昭子/福永千恵子/遠藤一巳)の第三回演奏会で初演され、1991年の西潟昭子リサイタルでの再演の際に改訂されている。(4)・(5)・(6)ではエレクトリック三絃を使用。
(1)1996年7月25日 ビクタースタジオ301スタジオにてPCM9000使用20bit録音
(2)(3)1993年12月1日 東京芸術劇場大ホールにて1630使用ライヴ録音
(4)(5)(6)1991年12月17日 サントリーホールにてDAT使用ライヴ録音
「古典世界に立つとき、山田流のテリトリをしっかりと護り抜く西潟昭子は、声のかかわる領域が深刻であればあるほど、三絃の器楽的な新しい可能性を求めて、意欲的に飛躍を続けた。あるときは打楽器奏者のように音を狙い打ちにし、またギター奏者のように隠密に音を紡ぎ、ときには管楽器のごとく音を棚引かせる。さらに素晴らしいテンポで瞬時に駆け抜け、ぴしりと静止、かつ沈黙の連続。戦術は先端音楽で行使され、音群を捌く。さらに三絃にとって最重要な音色がますます洗練の度を加え、彼女自身の個の音色を調える。アナログとディジタルの共有、エレクトロニクスの介在。コンサーヴァティヴとプログレッシヴとヴェンチュアの三本柱。そして最近のスクーリング。」(上野 晃 ライナーノーツより)
<ライナーノーツ>
解説と曲目解説/上野 晃(音楽評論家)
English Liner Notes Enclosed(Akira Ueno, music critic)
西潟昭子(にしがた あきこ)プロフィール
1945年 東京生まれ、幼少より西潟美溪(母)に山田流箏曲を習う。
1967年 東京芸術大学音楽学部邦楽科卒業。在学中、中能島欣一教授に山田流箏曲、三絃を師事。
1967年より杵屋正邦門下となり、現代邦楽の三絃を師事。
1975年より第一線の作曲家に委嘱し、三味線による現代作品を中心としたリサイ夕ルを持つ。1978年より、アジア、ヨーロッパ各国でのリサイタル。国際現代音楽祭、オランダ・フェスティバル、アジア作曲家会議等に参加、演奏。
1984年より、国立劇場が復元した古代楽器「阮咸(げんかん)」を、1988年より「瑟(しつ)」を演奏。舞台、伶楽公演に出演。
1979年 パンムジーク・フェスティバル演奏コンクールにおいて独奏部門第1位(ドイツ大使賞、審査委員賞)受賞。
1980年 昭和55年度芸術選奨文部大臣新人賞受賞。
1998年 平成10年度文化庁芸術祭優秀賞受賞。
2000年 平成12年度文化庁芸術祭大賞受賞。
2002年 第9回日本文化藝術振興賞(日本伝統文化振興賞)受賞。
箏曲「美音会」を主宰。「現代三曲アンサンブル」メンバー。主に山田流箏曲の古典曲、三味線の現代曲をレパートリーに、日本及びヨーロッパを中心に活動、三味線音楽の新しい領域を開く。
洗足学園音楽大学教授、現代邦楽研究所所長、現代三味線音楽協会理事、純正律音楽研究会理事、上越教育大学非常勤講師、BS・CSデジタル放送審議委員、(財)日本伝統文化振興財団評議員。
レコードは、「西潟昭子/三絃」(ALMコジマ録音)、「西潟昭子・ひとり−夢にしあらば−」、「現代の三絃ベスト25」(ビクター)[昭和61年度芸術作品賞受賞]など多数。
西潟昭子 official website
http://www.nishigata-akiko.com/