奇蹟の爪音/箏のレジェンド 衛藤公雄
きせきの・つまおと・ことの・れじぇんど えとう・きみお
Miraculous Resonances / The Koto Legend Kimio Eto
えとう・きみお
収録曲
Disc 1 | 宮城道雄・古典篇 | |||
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1 |
瀬音(05'28") せおと |
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作曲:宮城道雄 箏:衛藤公雄、十七弦:衛藤美重子 [録音] (1961.10.1 カーネギーホール) | ||||
2 |
春の海(06'18") はるの・うみ |
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作曲:宮城道雄 箏:衛藤公雄 [録音] (1968.3.30 国立劇場大劇場) | ||||
3 |
さらし風手事(07'45") さらしふう・てごと |
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作曲:宮城道雄 箏本手:衛藤公雄、箏替手:衛藤富枝、衛藤彩子 [録音] (1973ころ 収録場所不明) | ||||
4 |
秋の調(14'02") あきの・しらべ |
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作詞:小林愛雄 / 作曲:宮城道雄 歌・箏:衛藤公雄、尺八:山口五郎 [録音] (1975ころ 収録場所不明) | ||||
5 |
水の変態(一部抜粋)(10'09") みずの・へんたい |
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作詞:大和田建樹 / 作曲:宮城道雄 歌・箏:衛藤公雄 [録音] (1982.7.23 中央区立中央会館) | ||||
6 |
五段砧(11'02") ごだんぎぬた |
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作曲:光崎検校 箏高音:衛藤公雄、箏低音:初代米川敏子 [録音] (1980.2.26 中央区立中央会館) | ||||
7 |
六段(06'58") ろくだん |
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作曲:八橋検校 箏:衛藤公雄 [録音] (1982.10.18 ビクタースタジオ) | ||||
Disc 2 | 作品篇 | |||
1 |
雪の幻想(05'02") ゆきのげんそう |
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作曲:衛藤公雄 箏:衛藤公雄 [録音] (1961.10.1 カーネギーホール) | ||||
2 |
潮流(06'39") ちょうりゅう |
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作曲:衛藤公雄 十八弦箏:衛藤公雄 [録音] (1968.1.25 国立劇場小劇場) | ||||
3 |
建設の響き(13'33") けんせつの・ひびき |
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作曲:衛藤公雄 箏:衛藤公雄、十七弦:大塩寿美子 [録音] (1968.10.18 サンケイホール) | ||||
4 |
軍艦マーチ(02'35") ぐんかん・まーち |
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作詞:(鳥山 啓) / 作曲:瀬戸口藤吉 / 編曲:衛藤公雄 箏:衛藤公雄 [録音] (1972.1.28 広島市生田衛藤流稽古場) | ||||
5 |
箏独奏による さくら(04'28") ことどくそうによる・さくら |
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作曲:衛藤公雄 箏:衛藤公雄 [録音] (1973.10 衛藤箏渋谷スタジオ) | ||||
6 |
希望の曲(勝利への曲)(13'32") きぼうのきょく・しょうりへの・きょく |
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作曲:衛藤公雄 箏:衛藤公雄、十七弦:大塩寿美子、尺八:山口五郎 [録音] (1975ころ 収録場所不明) | ||||
7 |
春の姿(04'25") はるの・すがた |
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作曲:衛藤公雄 箏独奏:衛藤公雄、箏助奏:生田衛藤流門人、十七弦:大塩寿美子 [録音] (1975ころ 収録場所不明) | ||||
8 |
箏尺八二重奏曲(12'38") ことしゃくはち・にじゅうそうきょく |
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作曲:衛藤公雄 箏:衛藤公雄、尺八:山口五郎 [録音] (1980.2.26 中央区立中央会館) | ||||
9 |
荒城の月変奏曲(05'07") こうじょうのつき・へんそうきょく |
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作曲:衛藤公雄 箏:衛藤公雄 [録音] (1982.10.18 ビクタースタジオ) | ||||
10 |
輝ける未来に寄せて(05'17") かがやける・みらいに・よせて |
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作曲:衛藤公雄 箏:衛藤公雄 [録音] (1982.10.18 ビクタースタジオ) |
time:0.32 s・
作品紹介
平成28年度(第71回)文化庁芸術祭参加作品
伝統音楽演奏家として全米の聴衆を魅了した盲目の箏曲演奏家、衛藤公雄。
その足跡を、全曲初CD化となる秘蔵音源からデジタル復刻!!
箏の爪音の美しさに人生の全てを懸けた箏曲家、その輝かしい生命の記録!!
このCDは、2012年12月24日に他界した衛藤の遺品から発見された膨大なオープンリールテープに残された演奏記録の音源を精選、衛藤が辿った音楽家としての軌跡を初めて明らかにするものである。
(本文52頁、全曲解説、年譜、プロフィール、英文サマリー等)
執筆者 久保田敏子(京都市立芸術大学名誉教授)
谷口和巳(小学館刊『奇蹟の爪音』著者)
藤本 草(公益財団法人日本伝統文化振興財団会長)
English Notes Enclosed
今改めて聴きますと、惚れ惚れするような素晴らしい爪音で、手の動きはまるで神技のようです。そして紡ぎ出された音楽には、単なる超絶技巧の披瀝ではなく、情趣が溢れ、人間的な温か味が宿っています。
衛藤公雄はまさにレジェンドの人です。これほどの人が、何故、埋もれてしまったのでしょうか? その足跡に迫った今回のCDの発売を機に、箏の爪音の美しさに全てをかけた箏曲家の、その輝かしい生命の記録を、今一度振り返ってみようではありませんか。
― 京都市立芸術大学名誉教授 久保田敏子(ライナーノーツより)―
【衛藤公雄の三人の子息から寄せられたコメント】
長い間衛藤公雄の音楽は、日本では時流に合わない古臭いものだと思わざるを得ないまま長年過ごしてきましたが、このCDを聴かせて頂いて、果たして本当にそうなのだろうかと改めて考え直しています。
衛藤弘幸(生田衛藤流 家元)
幼少の私には父親はおらず、敬語で会話する衛藤先生という存在のみ。しかしながら今回の音源を聴きつつ思い出すのは、二人で散歩したセントラルパーク、帰国後も度々留守にする父を羽田で涙目で見送ったことなど。やはり親子でした。
スティーヴ エトウ(パーカッショニスト)
秘蔵音源を聴くというよりも、その時代の空気に入り込むような感覚。昔のジャズのような一発録りの臨場感と気迫。
音楽家として最もクリエイティブな生き方を再認識したアルバムと言えます。
レナード衛藤(太鼓奏者)
衛藤公雄(えとう きみお)プロフィール
1924年9月28日大分県生まれ。29年大阪に転居、5歳で事故により失明。1933年楯城護に入門。34年東京に転居、宮城道雄に入門。38年14歳で教授免許を許される。
1941年第1回三曲新作発表会で《箏尺八二重奏曲》1位入選。43年第2回三曲新作発表会で《勝利への曲》(後に希望の曲と改題)2位入選。44年第3回三曲発表会で《建設の響き》1位入選。
1946年GHQ進駐軍でジャズを演奏。
1952年大映映画「長崎の鐘は忘れじ」主題曲《雪の幻想》を作曲・演奏。ジーンクルーパー等と日劇に出演。宮内庁式部職楽部楽友会員となる。
1953年渡米、ハリウッドに箏教室を開く。
1958年米国永住権取得、LPアルバム「KOTO MUSIC」「KOTO MASTER」2タイトルをリリース。
1960年LPアルバム「KOTO & FLUTE」リリース。ロサンゼルス、イーベル劇場で初リサイタル。ニューヨークに転居。
1961年カーネギーホールで日本人として2人目となるリサイタル開催。
1962年リンカーンセンターで東洋人初のリサイタル開催。
1963年全米40州の大学後援ツアー開始。
1964年《箏と管弦楽のための協奏曲》(ヘンリー・カウエル作曲)をストコフスキー指揮フィラデルフィア管弦楽団と初演。
1965年帰国、日本武道館で《箏と管弦楽のための協奏曲》をストコフスキー指揮日本フィルハーモニーと演奏。単身で再渡米。
1967年帰国、国立劇場大劇場で「帰朝記念演奏会」開催。(85年「45周年記念演奏会」まで国立劇場ほかで主催公演を20回以上開催)
1971年芸名を幸明に改名。
1984年ニース市「日本伝統文化フェア」に参加。公雄に芸名を戻す。
1987年渋谷ジァンジァンで「再出発コンサート」開催。
1988年三笠宮寛仁殿下に随行しノルウェーでの世界身体障碍者スキー競技会記念大会にて演奏。
1995年脳出血で半身不随となる。
2012年12月24日死去。享年88歳。
CD&書籍 同時発売!
【書籍】『奇蹟の爪音―アメリカが熱狂した全盲の箏曲家・衛藤公雄の生涯』
谷口和巳 著
発売元:小学館
定価1,800円+税 2016年12月5日発売