人間国宝 女流義太夫
竹本駒之助の世界 (11枚組)
にんげんこくほう・じょりゅう・ぎだゆう・たけもと・こまのすけ・の・せかい
たけもと・こまのすけ
クレジット
収録曲
Disc 1 | 人間国宝 女流義太夫 竹本駒之助の世界 |
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1 |
「ひらかな盛衰記」神崎揚屋の段「ひらがな・せいすいき」かんざきあげや・の・だん 文耕堂、三好松洛、浅田可啓、竹田小出雲、千前軒(合作) [録音] 2006年8月9日収録前弾〜 まえびき〜 |
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2 |
〽雪やみぞれや花散る嵐〜 〽ゆき・や・みぞれ・や・はな・ちる・あらし〜 |
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3 |
梅が枝「この姉様はなぜ遅い〜 うめがえ「この・あねさま・は・なぜ・おそい〜 |
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4 |
〽煙草引き寄せくゆらする〜 〽たばこ・ひきよせ・くゆらする〜 |
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5 |
〽何心なく語るにぞ〜 〽なにこころなく・かたるにぞ〜 |
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6 |
〽後見送りて梅が枝は〜 〽あとみおくりて・うめがえ・は〜 |
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7 |
梅が枝「伝え聞く無間の鐘をつけば〜 うめがえ「つたえきく・むげん・の・かね・を・つけば〜 |
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Disc 2 | 人間国宝 女流義太夫 竹本駒之助の世界 |
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1 |
「本朝廿四孝」十種香の段「ほんちょう・にじゅうしこう」じっしゅこう・の・だん 近松半二、三好松洛、竹田因幡、竹田小出、竹田平七、竹本三郎兵衛(合作) [録音] 2006年12月6日収録前弾〜 まえびき〜 |
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2 |
蓑作「あの泣き声は八重垣姫よな〜 みのさく「あの・なきごえ・は・やえがきひめ・よな〜 |
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3 |
〽泣く声洩れて一間には〜 〽なく・こえ・もれて・いっけん・には〜 |
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4 |
〽思わず一間を走り出で〜 〽おもわず・いっけん・を・はしり・いで〜 |
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5 |
〽言う顔つれづれ打ち守り〜 〽いう・かお・つれづれ・うちまもり〜 |
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6 |
〽突きやられてはさすがにも〜 〽つきやられては・さすがにも〜 |
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7 |
あとに不審は八重垣姫〜 あとに・ふしん・は・やえがきひめ〜 |
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Disc 3 | 人間国宝 女流義太夫 竹本駒之助の世界 |
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1 |
「一谷嫩軍記」林住家の段「いちのたに・ふたば・ぐんき」はやし・すみか・の・だん 並木宗輔、浅田一鳥、浪岡鯨児、並木正三(合作) [録音] 2007年3月9日収録前弾〜 まえびき〜 |
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2 |
〽風誘う、道の時雨も恋ゆえに〜 〽かぜ・さそう、みち・の・しぐれ・も・こい・ゆえに〜 |
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3 |
〽折節納戸の暖簾上げ〜 〽おりふし・なんど・の・のれん・あげ〜 |
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4 |
〽時しも一間騒がしく〜 〽ときしも・いっけん・さわがしく〜 |
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5 |
〽折節風に誘われて、間近く聞こゆる〜 〽おりふし・かぜ・に・さそわれて、まぢかく・きこゆる〜 |
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6 |
〽勇力無双の働きに〜 〽ゆうりょく・むそう・の・はたらき・に〜 |
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7 |
〽隙もあらせず表の方〜 〽すき・も・あらせず・おもて・の・かた〜 |
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8 |
〽思いの種や涙の種〜 〽おもい・の・たね・や・なみだ・の・たね〜 |
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Disc 4 | 人間国宝 女流義太夫 竹本駒之助の世界 |
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1 |
「曲輪●」吉田屋の段「くるわ・ぶんしょう」よしだや・の・だん ※注:●は漢字一文字(偏が「文」で旁が「章」) 未詳 [録音] 2007年5月30日収録前弾〜 まえびき〜
未詳
[録音] 2007年5月30日収録
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2 |
〽冬編笠も垢ばりて〜 〽ふゆあみがさ・も・あかばりて〜
未詳
[録音] 2007年5月30日収録
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3 |
〽お寒かろうと喜左衛門〜 〽おさむかろう・と・きざえもん〜
未詳
[録音] 2007年5月30日収録
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4 |
〽過ぎし夜すがの連弾を〜 〽すぎし・よすが・の・つれびき・を〜
未詳
[録音] 2007年5月30日収録
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5 |
〽無残やな夕霧は〜 〽むざんやな・ゆうぎり・は〜
未詳
[録音] 2007年5月30日収録
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6 |
〽夕霧涙もろともに〜 〽ゆうぎり・なみだ・もろとも・に〜
未詳
[録音] 2007年5月30日収録
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7 |
〽かかる所へ下女端女〜 〽かかる・ところへ・げじょ・はした〜
未詳
[録音] 2007年5月30日収録
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Disc 5 | 人間国宝 女流義太夫 竹本駒之助の世界 |
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1 |
「良弁杉由来」二月堂の段「ろうべんすぎ・の・ゆらい」にがつどう・の・だん 未詳 [録音] 2007年8月15日収録前弾〜 まえびき〜
未詳
[録音] 2007年8月15日収録
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2 |
良弁「ハテ心得ぬ、一方ならぬこの杉は〜 ろうべん「はて・こころえぬ、いっぽう・ならぬ・この・すぎ・は〜
未詳
[録音] 2007年8月15日収録
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3 |
老女「申し上ぐるも面伏せ、妾ことはその昔 ろうじょ「もうしあぐるも・おもて・ふせ、めかけ・ことは・その・むかし
未詳
[録音] 2007年8月15日収録
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4 |
良弁「そなたが今の物語〜 ろうべん「そなた・が・いま・の・ものがたり〜
未詳
[録音] 2007年8月15日収録
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5 |
〽見合わす顔にはらはらはら〜 〽みあわす・かお・に・はら・はら・はら〜
未詳
[録音] 2007年8月15日収録
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Disc 6 | 人間国宝 女流義太夫 竹本駒之助の世界 |
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1 |
「艶容女舞衣」酒屋の段「はですがた・おんな・まいぎぬ」さかや・の・だん 竹本三郎兵衛、豊竹応律、八民平七(合作) [録音] 2007年10月8日ライブ録音口上〜 こうじょう〜 |
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2 |
〽宗岸涙の目をしばたたき〜 〽そうがん・なみだ・の・め・を・しばたき〜 |
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3 |
〽半兵衛涙の内よりも〜 〽はんべえ・なみだ・の・うち・よりも〜 |
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4 |
〽跡には園が憂き思い 〽あと・には・その・が・うき・おもい |
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5 |
〽かかる哀れも知らぬ子の〜 〽かかる・あわれ・も・しらぬ・こ・の〜 |
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6 |
〽こなたはお園がなお涙〜 〽こなた・は・おその・が・なお・なみだ〜 |
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7 |
〽半七は歯を喰い締め〜 〽はんしち・は・は・を・くいしめ〜 |
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Disc 7 | 人間国宝 女流義太夫 竹本駒之助の世界 |
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1 |
「傾城恋飛脚」新口村の段「けいせいこいびきゃく」にのくちむら・の・だん 未詳 [録音] 2008年1月26日収録口上〜 こうじょう〜
未詳
[録音] 2008年1月26日収録
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2 |
〽跡は門口はたと閉め〜 〽あと・は・かどぐち・はたと・しめ〜
未詳
[録音] 2008年1月26日収録
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3 |
〽孫右衛門は老足の〜 〽そんうえもん・は・ろうそく・の〜
未詳
[録音] 2008年1月26日収録
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4 |
〽大坂を立ち退いても〜 〽おおさか・を・たちのいても〜
未詳
[録音] 2008年1月26日収録
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5 |
〽折から聞こゆる多くの人言〜 〽おりから・きこゆる・おおく・の・ひとごと〜
未詳
[録音] 2008年1月26日収録
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Disc 8 | 人間国宝 女流義太夫 竹本駒之助の世界 |
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1 |
「妹背山婦女庭訓」金殿の段「いもせやま・おんな・ていきん」きんでん・の・だん 近松半二、松田ばく、栄善平、近松東南、三好松洛(後見)(合作) [録音] 2008年4月4日公開収録前弾〜 まえびき〜 |
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2 |
お三輪「さあさあさあ、ひょんな事ができてきた〜 おみわ「さあさあさあ、ひょんな・こと・が・でてきた〜 |
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3 |
〽唄いますると泣く泣くも〜 〽うたいますると・なくなくも〜 |
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4 |
お三輪「エエ胴欲じゃ、エエ胴欲じゃ、〜 おみわ「ええ・どうよくじゃ、ええ・どうよくじゃ、〜 |
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5 |
〽彼が父たる蘇我の夷〜 〽かれが・ちちたる・そが・の・えみじ〜 |
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6 |
〽今国不憫いやましに〜 〽いま・くに・ふびん・いやましに〜 |
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Disc 9 | 人間国宝 女流義太夫 竹本駒之助の世界 |
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1 |
「壺坂観音霊験記」沢市内より 壺坂寺「つぼさか・かんのん・れいげんき」さわいち・うち・より・つぼさかでら 近松半二、松田ばく、栄善平、近松東南、三好松洛(後見)(合作) [録音] 2008年4月4日公開収録前弾〜 まえびき〜 |
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2 |
〽鳥の声、鐘の音さえ身にしみて〜 〽とり・の・こえ、かね・の・おと・さえ・み・に・しみて〜 |
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3 |
お里「エエソリャ胴欲な沢市様〜 おさと「ええそりゃ・どうよくな・さわいちさま〜 |
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4 |
〽初めて聞きし妻の真実〜 〽はじめて・ききし・つま・の・まこと〜 |
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5 |
〽伝えきく壺坂の観世音は〜 〽つたえきく・つぼさか・の・かんぜおん・は〜 |
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6 |
〽憂きが情けか、情けが憂きか〜 〽うき・が・なさけか、なさけ・が・うきか〜 |
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7 |
〽岩を建て、水をたたえて壺坂の〜 〽いわ・を・たて、みず・を・たたえて・つぼさか・の〜 |
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8 |
〽跡に沢市ただ一人〜 〽あと・に・さわいち・ただ・ひとり〜 |
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9 |
〽かかることとも露知らず〜 〽かかる・こととも・つゆしらず〜 |
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10 |
〽ほんに思えばこの身ほど〜 〽ほんに・おもえば・この・み・ほど〜 |
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11 |
〽頃は如月中空や〜 〽ころ・は・きさらぎ・ちゅうくう・や〜 |
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Disc 10 | 人間国宝 女流義太夫 竹本駒之助の世界 |
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1 |
「義経千本桜」すし屋の段(前編)「よしつねせんぼんざくら」すしや・の・だん(ぜんぺん) 竹田出雲、三好松洛、並木千柳(合作) [録音] 2008年7月28日収録口上〜 こうじょう〜 |
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2 |
〽もう戻らるるでござんしょと〜 〽もう・もどらるるで・ござんしょと〜 |
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3 |
〽げに夫をば大切に思う掟を幸いに〜 〽げに・おっとば・たいせつに・おもう・おきて・を・さいわいに〜 |
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4 |
権太「申し母者人〜 ごんた「もうし・ははじゃひと〜 |
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5 |
〽親子が具合の最中へ〜 〽おやこ・が・ぐあい・の・さいちゅうへ〜 |
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6 |
〽行く弥助をば引き止め〜 〽いく・やすけ・をば・ひきとどめ〜 |
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7 |
〽娘お里は今宵待つ〜 〽むすめ・おさと・は・こよい・まつ〜 |
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8 |
〽神ならず、仏ならねばそれぞとも〜 〽かみ・ならず、ほとけ・ならねば・それぞとも〜 |
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9 |
〽はるばるの旅の空〜 〽はるばる・の・たび・の・そら〜 |
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10 |
〽仇な枕も親どもへ〜 〽かたき・な・まくら・も・おやどもへ〜 |
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11 |
〽村の役人駆け来たり〜是非無くその場を落ち給う、ご運のほどぞ危うけれ。 〽むら・の・やくにん・かけきたり〜ぜひ・なく・その・ば・を・おち・たまう・ごうん・の・ほどぞ・あやうけれ。 |
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Disc 11 | 人間国宝 女流義太夫 竹本駒之助の世界 |
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1 |
「義経千本桜」すし屋の段(後編)「よしつねせんぼんざくら」すしや・の・だん(こうへん) 竹田出雲、三好松洛、並木千柳(合作) [録音] 2008年7月28日収録〽ようすを聞いたか、いがみの権太〜 〽ようす・を・きいたか、いがみ・の・ごんた〜 |
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2 |
〽矢筈の提灯梶原平三景時〜 〽やはず・の・ちょうちん・かじわら・へいぞう・かげとき〜 |
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3 |
〽『維盛夫婦餓鬼めまで〜 〽『これもり・ふうふ・がきめ・まで〜 |
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4 |
〽見送る隙間、油断見合わせ弥左衛門〜 〽みおくる・すきま、ゆだん・みあわせ・やざえもん〜 |
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5 |
〽三千世界に子を殺す〜 〽さんぜんせかい・に・こ・を・ころす〜 |
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6 |
権太「おいとしや親父様〜 ごんた「おいとしや・おやじさま〜 |
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7 |
〽母は悲しさ手負いに取りつき〜 〽はは・は・かなしさ・ておい・に・とりつき〜 |
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8 |
弥左衛門「エエ聞こえぬぞよ権太郎〜 やざえもん「ええ・きこえぬぞよ・ごんたろう〜 |
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9 |
〽悔やみに近き終り際〜 〽くやみ・に・ちかき・おわりぎわ〜 |
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10 |
〽維盛の、首には輪袈裟〜 〽これもり・の、くび・には・わげさ〜 |
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time:0.4 s・
作品紹介
平成21年度 第64回 文化庁芸術祭優秀賞受賞作品
受賞関連記事:受賞関連記事:「人間国宝 女流義太夫 竹本駒之助の世界(11枚組)」が芸術祭優秀賞を受賞
女流義太夫の人間国宝、竹本駒之助。その芸を後世に伝えることの出来る十演目を収めた、義太夫の傑作CD全集。
浄瑠璃:竹本駒之助 三味線:鶴澤津賀寿、鶴澤三寿々、鶴澤津賀花
娘義太夫の流れの中で文楽とは歴史的背景の異なる女流義太夫にあって、竹本越路太夫の本格的な芸を現代に受け継ぐ竹本駒之助は異色の存在。そのはっきりとした語り口は、素浄瑠璃であっても人形芝居の場面を彷彿とさせる。文楽・女流義太夫を通じて現代最高峰の大夫のひとりと称されている。
監修・解説:竹内道敬
序文:「女流義太夫の歴史と竹本駒之助の芸」水野悠子(女流義太夫研究家)
録音:2006年8月~2008年7月
竹本駒之助(たけもと こまのすけ)
1935年(昭和10) 9月25日 兵庫県淡路島生まれ。本名 上田悦子
1949年(昭和24) 大阪に出て竹本春駒に師事、駒之助を名乗る
1952年(昭和27) 二世鶴澤三生を相三味線に東京で演奏活動を始める
1959年(昭和34) 竹本春駒と東京へ。三生の長男と結婚
1970年(昭和45) 四世竹本越路大夫に入門を許される
1974年(昭和49) 社団法人義太夫協会理事に就任
1978年(昭和53) 国立劇場の歌舞伎音楽(竹本)講師
1983年(昭和58) 社団法人義太夫協会副会長に就任
1986年(昭和61) 豊澤仙広賞受賞
1996年(平成8) モービル音楽賞受賞
1999年(平成11) 重要無形文化財保持者(義太夫節浄瑠璃)に認定される
2003年(平成15) 紫綬褒章受賞
2008年(平成20) 旭日小綬章受賞