尺八空間曼陀羅 恨(ハン)の軌跡 — リサイタル・ライブ —
しゃくはちくうかんまんだら はん・の・きせき — りさいたる・らいぶ —
三橋貴風
みつはし・きふう
Kifu Mitsuhashi
VZCG-760 (CD)
3,143円(本体 2,857円)
発売日: 2011年11月23日 /
ジャンル: 尺八
クレジット
収録情報
1〜4:2009年11月10日、津田ホールライブ録音 5:2001年10月2日スタジオ録音
収録曲
1 |
三谷 布袋軒所傳尺八古典本曲
(10'58")
さんや
San'ya
尺八(二尺四寸管)
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2 |
三谷清攬 津軽根笹所傳尺八古典本曲
(10'02")
さんや・せいらん
San'ya Seiran
尺八(二尺一寸管)
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3 |
三谷 越後明暗寺所傳尺八古典本曲
(12'37")
さんや
San'ya
尺八(二尺七寸管)
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4 |
鶴林 — 尺八独奏のための —
(11'18")
かくりん — しゃくはちどくそう・の・ための —
Kakurin
尺八(一尺八寸管)
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作曲:廣瀬量平
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5 |
HAMA
(08'15")
はま
Hama
尺八(一尺八寸管)
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作曲:三橋貴風
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time:0.32 s・
作品紹介
平成21年度(第64回)文化庁芸術祭大賞と第60回文化庁芸術選奨文部科学大臣賞を同時受賞したコンサート『三橋貴風 尺八本曲 空間曼陀羅 「恨(ハン)の軌跡」』のライブ録音から、古典本曲「三谷」三態と現代本曲「鶴林」を収録。
自作曲「HAMA」(2001年スタジオ録音)を含む、独奏尺八の深淵を明示した三橋貴風、渾身のアルバム!
文化が民族・国境を越えて伝播する時、近隣の国々からの様々な形の影響が複合的に結集し新たな一つの型を作る事があります。古来の尺八の音楽(尺八古典本曲)を考える時、その感性の核として切っても切れない感覚の一つに韓民族の美学「恨(ハン)」がある事に気付かされます。「恨」とは単に「うらみ」を意味する言葉ではありません。更に深く更に冷静な一種の哲学と云う事が出来るかも知れません。
一頃には普化宗(法燈派の別称)の寺は全国に二百寺ほどもあったと聞いており、それらの寺々所傳となる固有の本曲の数は現存しているものを遥かに凌いでいた事と思われます。本日前半ではこれらの多くの尺八古典本曲の内の「同名異曲」から、「三谷」を三態お聴き頂こうと思っております。
三橋貴風(2009年公演パンフレットより)
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平成21年度(第64回)文化庁芸術祭大賞第60回文化庁芸術選奨文部科学大臣賞
三橋貴風 尺八本曲 空間曼陀羅
「恨(ハン)の軌跡」
2009年11月10日(火)19時 津田ホール
※青太字は本CD収録曲
【三谷三題】
三谷(さんや) 布袋軒所傳尺八古典本曲
三谷清攬(さんやせいらん) 津軽根笹所傳尺八古典本曲
三谷(さんや) 越後明暗寺所傳尺八古典本曲
【現代本曲】
舞働(まいばたらき)〈1979〉* 湯浅譲二 作曲
恨櫓歌(ハンノガ)――尺八と大芩(テグム)のための〈2009 委嘱作品・世界初演〉 金大成(キム デーソン)作曲
鶴林(かくりん)――独奏尺八のための〈1973〉** 廣瀬量平 作曲
客演 * パーカッション:吉原すみれ、** 大芩(テグム):金政丞(キム ジョンスン)
三谷とは、「すががき」(菅垣、菅搔、清攬などの字を当てます)の一種で、「三谷すががき」を省略した言い方です。もともとは、糸曲「すががき」の三下り(雲井調子)の曲だったと思われ、尺八では、本調子「すががき」の主旋律を手を替えて吹いたものと考えられています。
『糸竹初心集』(1663年刊)によると、「虚無僧尺八」に「れんぼながし、京れんぼ、さむや、いつ、よし田」などの「手」、すなわち尺八本曲があったと記されています。このことから、17世紀半ばにはすでに「さむや」=「三谷」が尺八の曲として、独自の姿を見せていたことが分かります。
「三谷」は奥州各地にも伝播し、風土と人の関わりを経て、それぞれが異なる趣をもつ曲として伝承されてきました。
このアルバムでは、その中から三つの表情を見せる「三谷」を聴くことができます。いずれも、神如道(じん にょどう 1891-1966)の伝承曲です。
最後に収録されている「HAMA」は、2001年にスタジオ録音された自作自演。「HAMAとは海辺の浜であり、波間でもあり、また破魔でもあります。」(三橋貴風) 1987年9月にNHK総合テレビ初の深夜番組「スタジオL」のために作曲されたブルース風の尺八独奏曲です。
〈ライナーノーツ〉
(前書き)/三橋貴風
曲目解説/神田可遊(尺八史家)、廣瀬量平、三橋貴風
【おことわり】本作は2010年8月にプライベート盤『尺八空間曼陀羅/三橋貴風』として制作・発売されたアルバムを、ジャケットとタイトルを変更して一般発売するものです。また、(1)~(4)はライブ収録のため会場ノイズ等が入っていることをあらかじめご了承くださいませ。
三橋貴風 (みつはし きふう) プロフィール