目と目
め・と・め
KAZUE SAWAI EYE TO EYE(Produced by Ayuo)
沢井一恵、高橋鮎生(Ayuo)、太田裕美、ピーター・ハミル、他
さわい・かずえ、たかはし・あゆお、おおた・ひろみ、ぴーたー・はみる
Kazue Sawai,Ayuo,Hiromi Ohta,Peter Hammill
VZCG-735 (CD) 3,143円(本体 2,857円)
収録情報
プロデュース:高橋鮎生(Ayuo)
録音エンジニア:デヴィッド・ロード
1987年8月イギリス、バース「クレサント・スタジオ」にて収録、ミキシング。
2010年2月15日ビクタースタジオにてオリジナル・マスターテープからリマスタリング
収録曲
絵の中の姿
え・の・なか・の・すがた A Picture of You and I | |||
作詞:高橋鮎生 / 作曲:高橋鮎生 Ayuo Takahashi 沢井一恵:十七絃箏 太田裕美:ヴォーカル | |||
1 |
八つのころに(06'05") やっつ・の・ころに When I was Eight |
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2 |
結婚の夜に(02'34") けっこん・の・よる・に Wedding Night |
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3 |
四十のときに(02'53") しじゅう・の・とき・に When You were Forty |
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4 |
二人は竹のいすにすわり空の月とその湖の反射をながめた(08'35") ふたり・は・たけ・の・いす・に・すわり・そら・の・つき・と・その・みずうみ・の・はんしゃ・を・ながめた They Set on Two Bamboo Stools and Gazed at The Moon and Its Reflection in The Lake |
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作曲:高橋鮎生 Ayuo Takahashi
沢井一恵:十七絃箏 高橋鮎生:キーボード ルイーズ・ブロウアード、テリー・ブラウン:朗読
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5 |
散りゆく花の歌(13'09") ちりゆく・はな・の・うた A Song to Fallen Blossoms |
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作詞:曹雪芹 Cao Xueqin / 作曲:高橋鮎生 Ayuo Takahashi
沢井一恵:十七絃箏 高橋鮎生:キーボード、ギター、バック・ヴォーカル ピーター・ハミル:ヴォーカル/サラ・ジェーン・モリス:ヴォーカル ジェームズ・ワレン:コーラス/ガイ・エヴァンス:ドラムス
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6 |
ア・レター・フロム・ア・ストレンジャーズ・チャイルドフッド(06'07") あ・れたー・ふろむ・あ・すとれんじゃーず・ちゃいるどふっど A Letter from A Stranger's Childhood |
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作曲:ロビン・ウィリアムソン Robin Williamson
沢井一恵:十七絃箏
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7 |
みだれ(10'49") みだれ Midare |
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作曲:八橋検校 Yatsuhashi Kengyo
沢井一恵:箏
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8 |
目と目(08'45") め・と・め Eye to Eye |
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作詞:高橋鮎生 / 作曲:高橋鮎生 Ayuo Takahashi
沢井一恵:十七絃箏 太田裕美:ヴォーカル 高橋鮎生:キーボード、バック・ヴォーカル
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9 |
橋をわたって(13'32") はし・を・わたって While I Was Crossing The Bridge |
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作曲:高橋悠治 Yuji Takahashi
沢井一恵:十七絃箏
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time:0.28 s・
作品紹介
箏のなかに潜むいにしえの「うた」の記憶と鼓動。
優美で温かな響きの波紋が無限に広がる。
世界中の最前線の音楽シーンで箏の真価を問い続けている現代日本を代表する箏奏者・沢井一恵。日本伝統文化を体現する古典作品の演奏を土台に、箏と西洋音楽、現代音楽、先鋭的なJAZZ、即興との接点を探求し、各界の一流音楽家達から尊敬を集める。その代表作3枚を復刻発売。
1987年にアート・フロント・プロデュースから発売されたCDの復刻です。箏で西洋音楽を演奏することはこれ以前にも行なわれていましたが、本作はコンテンポラリーなポップスの手法でオリジナルな音楽を生み出した点が画期的で、邦楽器を使ったジャンルを横断する表現を志す若い世代の邦楽演奏家に大きな刺激を与えました。海外でも高く評価された名盤です。
プロデュースは独自の音楽観でさまざまな活動を展開している高橋鮎生(Ayuo)、ヴォーカルに太田裕美、ピーター・ハミル他が参加しています。録音エンジニアはピーター・ガブリエル、XTCやピーター・ハミルのレコードをプロデュースしているデヴィッド・ロードによるもの。「邦楽器」という先入観のない感性で捉えた奥行きのある響きが新鮮です。今回の再発にあたっては、前回の日本盤マスターをそのまま使わず、英国で録音された時点のマスターテープから新たにリマスタリングを行なっています。またブックレットにはオリジナル盤には未掲載だった全詞章を掲載しています。
ここに入っている音楽を通して聴くと、何て箏って色々なことができるのだろう、と思ってしまう。これだけ色々なことができる楽器が何故今まである固定したイメージ(それも間違っているもの)でしかとられなかったのだろうか。
(中略)
このレコードは、箏や他の邦楽器のこれからの可能性を広げられるようなものになって欲しいと願っている。
(後略)
高橋鮎生(Ayuo)(ライナーノーツより)
<ライナーノーツ>
曲目解説:高橋鮎生、高橋悠治
全詞章掲載
沢井一恵 プロフィール
8歳より箏曲を宮城道雄に師事。東京芸術大学音楽学部卒業。
1979年沢井忠夫と共に沢井箏曲院を設立。古典と現代邦楽の第一線で活躍する一方、全国縦断「箏遊行」や、作曲家の一柳慧、パーカッションの吉原すみれと結成した「トライアングル・ミュージック・ツアー」など様々なコンサートを行う。
ジョン・ゾーンのプロデュースによる公演、高橋悠治プロデュースのリサイタル、高橋悠治作品CD『風がおもてで呼んでいる』制作(コジマ録音)など多彩な活動を展開。1989年以降、ニューヨーク BANG ON A CANフェスティヴァルを始め、ドイツのメルス・ジャズ・フェスティヴァルなどアメリカ、ヨーロッパ、各地のフェスティヴァルより招聘を受け世界中の様々な音楽シーンに登場。
また国内外の多様なジャンルの若手アーティスト達と「沢井一恵箏360°の眼差し」やミュージック・アクション(フランス)などで実験的コンサートを積極的に行い、邦楽とは無縁だった多くの人々に箏の魅力を伝えている。
異色の組み合わせでは、インドネシアの舞踊家サルドノ・クスモとのコラボレーション、また韓国のシャーマン金石出(キム・ソクチュル)達との即興演奏。ロシア人作曲家ソフィア・グバイドゥーリナとの即興CD制作を行っている。
オーケストラとの共演では加古隆作曲の箏協奏曲で、井上道義指揮の新日本フィル、エストニア国立交響楽団などと共演。1999年にはNHK交響楽団のグバイドゥーリナへの委嘱新作『樹影にて』(アジアの箏とオーケストラのための)で、N響定期公演とアメリカ・ツアーに参加(シャルル・デュトワ指揮)、その後も同作品をロシア・ナショナル管弦楽団と共演(ピョートル・メシチャニーノフ指揮)。
2010年4月、佐渡裕指揮・兵庫芸術文化センター管弦楽団との共演で、坂本龍一作曲の箏協奏曲を世界初演。
CDは古典曲を集めた『みだれ』(京都レコード)のほか、現代曲、即興など、多様な内容のものが世界各地のレーベルから発売されている。
沢井一恵 Official Website
http://www.soukyokuin.com/KAZUE.HTM
Ayuo (高橋鮎生) プロフィール
1960年10月19日生まれ。作曲、作詞、英語作詞、ギター、ヴォーカル、ブズーキ、ケルティック・ハープ、プサルトリー、コロナミューズ、ティン・ウィスル、ハーディー・ガーディー、中国箏。
ベルリン、ストックホルム、ニューヨークで育ち、なかでもニューヨークのグリニッジビレッジで過ごした成長期に60年代後半のアメリカ文化から強い影響を受ける。8歳よりクラシックギターを習い始め、スタンリー・シルバーマン、後にウイリアム・ヘルマンに師事。83年以降9枚のソロアルバムを制作発表。ギターの他にも様々な楽器を演奏し、古代音楽にみられる世界の繋がりを独自のサウンドで表現し、坂本龍一、ピーター・ハミル、フェアポート・コンベンションとの共演など、国際的に活躍している。独自の音楽観を持つ存在として執筆の依頼も多い。近年では、音楽を軸とした新しい表現方法を提唱し、音楽家に限らず、ファッション・デザイナー、建築家、グラフィック・デザイナー、舞踊家、等、様々な分野、世代のアーティスト達と共に表現の場のプロデュースも手掛けている。2004年には太田裕美とのジョイント・アルバム『RED MOON』を、2005年には源氏物語の「葵の上」に基づく、洋楽器と邦楽器をまぜたオペラ作品『AOI』をニューヨークのTZADIKレーベルより発売。2007年のCD『絵の中の姿』ではJadranka、高橋悠治、沢田穣治、上野洋子、千野秀一といった優れたミュージシャンによるサポートでAyuo本人の自伝的な世界を巧みに描き出している。今回のCDに収録されている『絵の中の姿』は、その同名のCDでは高橋悠治のピアノ伴奏で収録されている。最新作のCD『dna』ではオープン・チューニング・ギターと弾き語りの曲以外に弦楽四重奏曲を収録し、2009年にZipanguレーベルより発売している。紅楼夢のテーマに基づく弦楽四重奏曲もCD『dna』に収録されている。
Ayuo Official Web Site
http://www.ayuo.net/